その男、猛獣につき

「あの、今日は結構です。いつもありがとうございます」


今日もきっと有田と2人きりで残業だろうと思っていたのに、有田の口から出たのは意外にも予想とは正反対の答え。

「さすがに、睡眠不足か?」

「いえ、今日は森田さんたち、症例さんの夕ご飯の食事観察から臥床までを観察に行ってきます」


「あぁ、分かった。……でも、もし、手技の勉強したいんだったら、有田が終わってからでも時間開けておくけど?俺も書類整理があるから。」



はぁぁ。

何、言ってんだ。俺は。
これじゃあ、まるで俺が有田を……。

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