その男、猛獣につき
「いてっ」
先生の声に、私はそんな思いを急いで頭の片隅に追いやる。
どうやら、急いで準備したせいで、どうにもならなかった前髪をピンで留めていたせ。
私の頭を撫でていて、勢い余って手にピンの先があたってしまったようだ。
結局、
「5分で準備する」
と言ってしまった私だけれど、5分でなんて準備は出来なかった。
それでも必死で急いだ結果、前髪はピンを留め、ほぼスッピン状態の顔を隠すために眼鏡をかけた。それから洋服はというと、先週とほとんど同じ格好になってしまった。
1時間以上、遅刻してしまった私たち。
しかも私は、ほぼスッピン状態の恰好。
敦也さんをはじめ、チームの皆から関係を怪しまれ、からかいの恰好の餌食になってしまった。
今日の私は、本当に先生に迷惑をかけっぱなしだ。