シークレットな関係
話題は高橋のことから私のことに移り、撮影裏話や芸能人のこと、みんなの彼氏事情とかも訊いたりして、楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
気付けば終電時間の三十分前になっていて、みんなで慌ててお会計を済ませて店を出た。
駅まで歩きながらも話は尽きず、別れるのが名残惜しくなってしまう。
「櫻井さん、また誘うねー!」
「櫻井さん、気を付けて帰ってね!」
「今日は楽しかった。ありがとう!またね!」
「はい。また」
みんなと駅で別れて、滑り込みで最終電車に乗る。
この時間は飲み屋帰りっぽい男性が多くて女性の姿がなく、ちょっと心細くなる。
やたら視線を感じるのは、気のせいだろうか。
もしかしたら女優桃瀬さくらだと気付かれたかもしれない。
バレたいような、酔っぱらいに気付かれて絡まれるのは嫌なような、二つの気持ちが交錯する。
車両を移動しようかと思いつつ勇気を出してチラチラと周りを見ると、みんな寝ていたりスマホを弄ったりしており、こちらを見ている人はいなかった。
どうも自意識過剰になったようで、『少し世に出たくらいで、おかしいでしょ!』なんて、自分に突っ込みを入れる。
そうだ、私なんてまだまだなんだから。
電車を降りてタクシー待ちをしていると、彼からlineが入っていることに気付いた。