シークレットな関係

『戸締まりしろよ』


十時半頃に、たったひとこと。

どれだけ心配性なのか、思わず笑いがこぼれる。

今は夜の十二時過ぎ。

今駅に一人でいることを話したら、どんな返事が返ってくるだろう。

ちょっと試してみたい誘惑にかられるけれど、止めておく。

きっと、lineの返事が遅いだけでも気にしているだろうし、もう眠ってると思うから。

『心配しないで』とだけ返し、lineを閉じた。


タクシーに乗り込んでアパートに戻ると、部屋に入る寸前に、背後でチカッと何かが光った。


「なに?今の」


振り返ってみてもシンと静まる夜道があるだけで、何も変わった様子がない。


「・・・カミナリ、かな?」


けれど、空を見ても晴れていて、そんな様子はなさそう。

すると、またチカッと、今度は連続して光った。

まさかカメラのフラッシュ!?

光を感じた方を注視していると、道向こうにある金属的なものに大通りを走る車のライトが当たっているだけと判明した。


「なんだ・・・またまた自意識過剰」


自分に呆れながらもホッと胸をなでおろして部屋に入り、いつも通りに肌のケアをする。

ベッドに入ると妙に広く感じてちょっぴり寂しくなった。

一日いないだけでぬくもりが恋しくなるなんて、私ったら完璧に彼にやられている。

けれど、腕の拘束がない分ぐっすり眠れるはず。この機会を楽しまなければ!

寂しさを無理矢理楽しさに変え、彼を思いながら眠りに就いた。

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