シークレットな関係
朝、日課のジョギングに出るといつも会う人たちがいる。
私は早朝仲間と名付けてるのだけど、顔を見ない日はどうしたのかな?なんてちょっと気になったりする。
名前を知ってるわけじゃないし、挨拶をする程度だけど、適度な距離感のある顔見知りだ。
土手道まで来ると、その早朝仲間の一人である犬の散歩のおばちゃんが私を見つけて手を振りながら近づいてきた。
ぐいぐい引っ張られてる犬がちょっと迷惑そうにしているのが、なんとも可愛い。
「おはようございます」
「ちょっとちょっと!あんた、見たよ!『恋味レシピ』に出てる、ちょっと意地悪い子、あんたでしょ!?」
「あ、はい。そうです。あの、観てくださったんですね!ありがとうございます!!」
「すごいじゃないのー。観てて、この意地悪な子誰かに似てるなーって思ってて、あんただって分かった時には『あー!!』って大きな声出しちゃったわよ。もうほんとびっくりしたわ!」
一緒に観てた主人に、この意地悪な子知ってるって、思いっきり自慢しちゃったわ!と言ってころころと笑う。
意地悪な子と連発されてちょっと複雑な気持ちになるけれど、仕方がない。
ヒロインとヒーローの間に入ってかき回す。
それが私の役だったのだから、うまく演じられたと喜ぶべきなのだ。