シークレットな関係

それから五日が経った夜、マネージャーが運転する車の中でスマホのlineを開く。

彼のメッセージはハチマキサラリーマンの『只今残業中!』のスタンプのみ。

出張から帰ってすぐに繁忙期に入ったらしく、ずっとうちに来ていない。

この分だと今夜も会えそうになく、アパートの事とか相談したいけれどまだまだ無理そう。

あれ以来ジョギングを控えているし、特に変なことは起きていないから、忙しい彼を煩わすのはなるべく控えたい。

ため息を吐きつつスマホをバッグに仕舞い、マネージャーに明日のスケジュールを確認した。


「お疲れさまでした」


私が車を降りて部屋に入るまで、マネージャーは見ててくれる。

ジョギングの一件がある前からそうしているが、今は周りに怪しい者がいないかどうかもチェックしてくれている。

そんな様子を見ると、あの時追いかけられたことは、少なからずも危険なことだと改めて感じる。

アイドルがファンに刺されたニュースをやっていたのはつい最近のことだ。


『ももちゃん、何かあってからでは遅いのよ!』と、社長はどこでもいいからがっちりセキュリティのあるところに引越しなさいと急かしてくるし、あの専務までもが『危険な芽は摘め』と言ってお部屋情報をメールしてくる。

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