シークレットな関係
声を出し慣れて、ありったけの大きな声を出して近所に聞こえるようにしていると、口の中に布のようなものが入れられた。
一生懸命口から押し出そうと頭を振ったり、あまりにも手足をバタバタさせて私が抵抗するからか、テーブルの横で押し倒されて両手を頭の上でまとめられた。
色情欲にまみれた男性の顔が不気味にゆがみ、吐き気がする。
はあはあと吐く息が首筋にかかって嫌悪感でいっぱいになり、目に涙がにじむ。
助けて、和哉・・・。
「いい匂い。さすが芸能人だな~」
手を振りほどこうにも力が入りにくくてびくともしないし、足をばたつかせても上にのっている男性を跳ね除けられない。
男性の手に素肌を撫で上げられて涙がこぼれる。
それでもあきらめずに足をばたつかせていると、ガタン!と大きな音がした。
「貴様!何やってるんだ!!」
「う、ひっ!?」
バシンと大きな音がして男性の体が横に吹っ飛び、テーブルにぶつかってうめき声をあげた。
「桃瀬さん、大丈夫ですか!?」
呆然とする私の口の中に入れられていた布を取り出してくれるのは、マネージャーだった。
ガタガタと立ち上がって慌てて逃げ出そうとする男性の足を、マネージャーが足を引っかけて倒しそのままがっちりと組み伏せる。
「桃瀬さん、警察!」
「は、はいっ」
慌ててスマホを探し、震える指で110番をした。