シークレットな関係
そして、数時間後。
私は警察の事情聴取を終え、今は、社長とマネージャーと一緒にビジネスホテルの一室にいる。
外はもうすっかり暗くなっていて、警察署にいた時間が長かったことを今更ながらに実感する。
「ももちゃん、大丈夫?」
私の隣に座り、社長はいたわるように私の背中をさすってくれる。
「すみません、ご迷惑をおかけして・・・もっと私が気を付けていれば・・・」
声が詰まる。
私が今日の仕事に穴をあけてしまったことで、社長や専務が奔走したことは知っている。
この事件をマスコミに伏せることにも、心を砕いてくれた。
「いいの!ももちゃんは悪くないから。すごく不運だっただけ。ね?」
こういう事件は、世間に知られていないだけで、芸能界では割と頻繁にあると話してくれる。
だから、仕事に穴をあけたことは気にするなと。
もっと事務所側が気を付けるべきだったと、社長は謝罪をしてくる。
『犯人は、電車の中で被害者である櫻井さんを見つけて女優だと分かり、後をつけてアパートの場所を知りました。部屋の場所を覚えるために写真を撮り、その後早朝に訪れた際、ジョギングに出かけるところを発見し、追いかけたそうです』
警察の人が話してくれたことは、どれも事件の兆候を示すものだった。
女子会の夜、帰って来た時に光ったのは車のライトではなく、フラッシュだった。
犯人のスマホには、私の走ってるところやマネージャーの車に乗るところに交じり、彼の写真もあった。
なんだか、外に出るのが怖くなる・・・。