シークレットな関係

「ミックスベジタブルのサラダとか最悪だった。私のだけ、コーンとニンジンがなくて緑一色。あのときはありがとう」

「わざわざそうする根性が気に入らなかったんだよ。一個ずつ抜いて別にするんだぜ、怖いだろ。あの頃の櫻井は子役で売れてたから、嫉妬が多かったんだな」

「そうだね・・・」


それだけじゃないんだけどな。

高橋にはモテてる自覚がなかったのかも。

それとも自覚をしていても、自分のせいで私が標的になっているとは思わなかったのかな。

小学生だったし、色恋に関しては女子よりも鈍感だろうから。


「でも今はもう食べられるから。好き嫌いなし」


高橋が予約していたフランス料理は美味しくて、ワインの力もあって次第にリラックスしていく。

耳に心地いいピアノの生演奏が止まり、ブルーのドレスを着た女性がピアノのそばに立った。

二曲歌ったあとピアノのそばから離れて、隣のテーブルのそばに立った。

そこには私たちと同じくらいか少し上のカップルがいて、男性はそうでもないけど、女性の方は驚いている。


「今宵はリクエストをいただいております。マサキさんからカオリさんへ、曲のプレゼントです。『きっと、ずっと』」


ピアノ演奏でしっとりとした歌声を向けられるカオリさんは、少し涙ぐんでいるのが分かる。

素敵な歌で、私もうっとりとしてしまう。

歌が終わる頃、ドーム状の蓋がついたお皿をウェイターが隣のテーブルに運んでいった。

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