シークレットな関係

この会社は企業向けの商品を通信販売しており、ノートやコピー用紙やOA機器、清掃用品、お茶やお菓子などの食品、消耗品から家具まで扱う品物は多岐にわたっている。

私の仕事は受注管理と、入会と退会の処理をするのが主な仕事のようだ。

一つの作業を終えると次の作業を高橋に指示され、一日中パソコン画面とにらめっこをしていて定時になる頃には目がシパシパしてしまった。

こんなに集中してパソコン作業をするのは初めてで、同じ姿勢ばかりで体が固まっている。

首をコキコキ鳴らしてそっと目をこすっていると、デスクの上に小さな薬瓶が置かれた。これは目薬だ・・・。


「高橋が置いたの?」

「疲れ目に利くやつだ。明日は自分のを持ってこいよ」

「・・・ありがとう」


貸してくれたのか。

前はすごくイジワルで、こんなときは自分だけ目薬を使って得意気な顔をする男だったのに、大人になって少し変わったみたい。

ありがたく目薬を使わせてもらい、高橋に返すとすぐに目薬を仕舞った。それに帰り支度をしていて、パソコンをシャットダウンしている。


「それから、会社では俺のことは『さん』を付けて呼べよ」

「・・・あ、ごめんなさい。つい」


そうだよね。会った途端に過去の思い出が一気に甦り気安く呼んでしまっていたけれど、高橋はここの正社員でしかも課長なのだ。

ここは社員の平均年齢が三十五歳で社長も若いと聞いたけれど、それでも私と同じ歳で課長になっているとはエリート街道まっしぐらだ。

相変わらず何もかもがデキる男で感心してしまう。

それに比べて私は・・・情けないな・・・。

< 3 / 119 >

この作品をシェア

pagetop