シークレットな関係

「じゃあ、そのあとは何の用事も入れるなよ。みっちりと契約執行する」

「み、みっちり・・・って、それって二日とも一日中ってこと?」

「昼に、がんばるって言ったよな?」

「確かに言ったけれど、でも、一日みっちりというのはどうかと思う」


しかも二日間だなんて。


「文句を言うな。契約したとき、“臨むところだ”と言ったよな。覚えてるか?」

「た、確かに言ったし、勿論覚えてるよ!ただ、その、たまってる掃除とかができないなーって思っただけだから!もう今から楽しみでワクワクする。何でもドンとこい!」

「言ったな。その言葉忘れるなよ?」


意地悪く笑い、気を付けて帰れと手を振って仕事に戻っていく。

ドアが閉められてすぐ、私は深い息を吐いてテーブルに手をついた。

高橋ったら素人なのに恋人役が上手い。

手慣れているというのか、十分役者になれそうなレベルだ。

外見も申し分ないし、デビューすれば売れそう。

そう伝えれば、興味ないと言うだろうけど。

甘い声で触れてくる手が優しく、勘違いしそうになるけど彼には好きな人がいるのだ。

どんな人なのかな。

スムーズに演技ができるようになって、一日でも早く彼を解放しないといけない。

そのためにも土日は頑張らなくちゃ。



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