シークレットな関係


初めて会ったのは幼稚園のお砂場だったっけ。

すごく印象深かったから、いまだに覚えている。

あれは幼稚園の年中さんのとき。

その頃私は子役でCMや雑誌のモデルをやっていて、久しぶりに幼稚園に行った日だったと思う。

お砂場でお山を作っていたら、突然声をかけられた。


『さくらいももか、おれとしょうぶだ!』


その大きな声に驚いて見上げると、高橋がむーっと口を尖らせて私を見ていた。

いきなり過ぎて唖然としたけれど、すぐに戸惑いに変わった。

何この子、誰?勝負って、何??って。

よく分からないまま『おやまくずし』を挑まれて、私が棒を倒してしまい、勝った高橋は得意げに言ったのだ。


『なんだ、たいしたことねーじゃん!』


その顔があまりにも憎らしくて腹が立って悔しくて。


『こんどは、かつもん!』と、私からおやまくずしを挑んだけど、ちょうど外遊びの時間が終わってしまい、結局リベンジならず。

その男の子が隣の組にいる「たかはし かずや」という名前で、一部の女子に人気があると知ったのは随分後のことだったと思う。


その時から高校卒業までずっとケンカ友達だ。

イジワルで生意気な男子だったのに、あんなにキスのうまい男になるとは、年月というものは恐ろしい。

キスがうまいということは、その先も上手なのだろうか・・・。

ふと頭に浮かんだシチュエーションに顔が熱くなり、頭をぶんぶん振って追い出した。


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