シークレットな関係
「もうっ、本気にしたじゃないの!私、お礼をしなくちゃ・・・とかいろいろ考えて、もうっ」
「顔が赤いぞ」
「そういうこと、言わないで!」
やっぱり高橋はイジワルだ!
恥ずかしさを誤魔化すためにも、彼の胸のあたりをポカポカと叩く。
けれど声を立てて笑うばかりで、全然こたえていないみたいでますます悔しくなる。
「まあ、落ち着けって」
振り回している手が掴まれてソファの背もたれに体を押し付けられた。
「離してよ」
「今の櫻井。俺が本物の恋人だったらキスして押し倒してる」
「え・・・?今の、私が・・・どういう意味?」
それって、色気があったということ?
今のどこが??
「お前なあ、そんなの自分で考えろ。それから、さっきのはウソだから。腹減ったな」
なんか食おうぜと言って、頭をガシガシ掻きながらキッチンらしき方へ出ていく。
さっきのは、ウソ。
ブルーレイを買ったのが?私のために探したのが?押し倒すというのが?それとも、全部が・・・?
考え込む私の前に、カップ麺と割りばしが差し出された。
しょうゆ味のスープの香りが鼻をくすぐり、お腹の虫を刺激する。
気づけばもう午後二時を回っていた。
「櫻井はこれでいいだろ」
「・・・ありがと。高橋は自炊しないの?」
「面倒だし、一人じゃ作っても余るし。休みの時は大抵こんな感じで済ませる。冷蔵庫の中にはビールと水とつまみくらいしかない」
「・・・そう」
ラーメンをすすりながら、次の食事は私が作ろうと決めた。