シークレットな関係


絶対的に信じているわけではないけれど、この一言占いはいつも当たっている気がする。

ただのこじつけかもしれないが、一日を振り返るとこれはあの事だったのかな?と思うことが多いのだ。

いいことが書いてあれば尚更に当たると信じたいのが人心でもある。

特に今年は“運気は下降の一途で、男難の年”だし、何よりも今日は事務所に行くつもりだから。

よし、ラッキーなことがありますように!


会社に着くと高橋がブルー系のネクタイをしているのを見つけて、なんだか嬉しくなる。

こんな些細なことがラッキーに思えるなんて、私は恋をしているんだなあと改めて自覚する。

今日はメイクを頑張って髪を巻いてみたけれど、綺麗だと思ってくれるかな。

こんなときめき、いつ以来だろうか。


「おはようございます」

「おはよう」


私が挨拶をしても、高橋は一瞥もくれずに短い返事をするだけ。

近づくなオーラを全開に出してる彼の周りには、まるで深いお堀があるようだ。

恋人契約執行中以外は冷たいことこの上ない。

当然だよね・・・みんなに秘密がばれても困るし、彼には好きな人がいるのだから。

分かってることだけど、切ない。


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