シークレットな関係

大体ものぐさだからって、リサイクルにまわす紙をデスクの上に置いておくこと自体間違っている。

そういえば、あの課長のデスクの上は資料やファイルでごちゃごちゃになっていたっけ。

あんな人が課長だとは、この会社は大丈夫なのだろうか。

だから高橋がヘッドハンティングされたのかもしれない。


と、そんな会社の行く末を心配してる場合ではない。

今は資料を捜さないと!


「どうしよう。私、謝らないと。高橋課長にも申し訳ないことをして・・・」

「その資料、まだあるはずだから探しに行きましょう。どんなのか分かりますか?」

「回覧された資料だから分かる。でも、まだあるって、どういうこと?捨てたのは、先週の金曜だよ」

「大丈夫です!」


そう、確か掃除のおばちゃんは、紙ゴミは一週間取っておいてから捨てると言っていた。

先週末なら、まだあるはずだ。


廊下の隅にある掃除道具入れのドアを開けようとしたら、あろうことか鍵がかかっている。

これじゃ、いつもどうやってゴミを捨てているのかと訊けば、紙ゴミは廊下の隅に置いておくと翌朝にはなくなっているといった。

掃除のおばちゃんがコンテナの中に入れるのだ。

とにかく彼女を探さなければ。

階段を使って上に行ったり下に行ったり、違う掃除のおばちゃんを見つけて尋ねれば、彼女は十二階のトイレ掃除をしていた。

事情を話すと快く鍵を開けてくれ、金曜分のゴミを引っ張り出して出してくれた。

< 60 / 119 >

この作品をシェア

pagetop