シークレットな関係
「でも、あんな風に言ってくれるなんてね。今まで全然そんなことなかったのに」
「櫻井さんが来てからだよね」
「言ってくれるように、頼んでくれたの?」
代わる代わるにそう言って私をじーっと見るから、手を横に振って否定した。
「私は何も・・・ただ、前から気になっていたんだと思います。この間の資料事件のこともあるし、いい機会だと思ったんじゃないでしょうか」
よく隣から聞こえてくる舌打ちは、あちらの課長に向けてのものだったのかもしれない。
そういえば、高橋の書類ミスの指摘はいつも簡潔で的確だったっけ。
「ね、いつも思っていたんだけど、櫻井さんって綺麗な肌してるよね。何かしてるの?」
「仕事してる時の姿勢も綺麗だよね。そうやって飲んでる仕草も綺麗で上品」
「もしかしてお嬢様なの?」
一人が口火を切ると矢継ぎ早に質問が並べられる。
この三人ってば本当に息が合うというか、面白い。
クスクス笑っていると宮田さんが「何で笑ってるの?もしかして図星?」と訊いた。
「違うんです。なんか仲が良くて羨ましいなあって、思って」
そういうと三人は顔を見合わせてきょとんとしている。
反応も一緒でますます笑ってしまった。親友ってこんな風なんだ。
「私、お嬢様じゃないですよ」
子役だったことは内緒にして肌の手入れ方法とかの質問に答えていると、隣のテーブルから声がかけられた。
「お姉さんたち、一緒に飲まない?」
振り向くと、サラリーマン風のおじさんたちが四人いた。
「奢ってあげるよ」
その一言に笹山さんたちの目がぎらっと光り「ご一緒します~!」と、嬉々としてテーブルをくっつけた。