シークレットな関係
「平気だ。早く開けろ」
「でも、私部屋着で、すっぴんで、とてもお会いできるような状態ではなく」
「いいから。あ・け・ろ」
苛立ったような言い方で、会うまで帰りそうにない。
「・・・はい」
観念して開錠し恐る恐る開けると、彼の手がドアを掴んでバッと大きく開かれ、するりと中に入ってきた。
私を見るなり「これ、見舞いだ」と、コンビニのレジ袋を差し出しつつ靴を脱いでいる。
「あの・・・?」
「朝から何も食べてねえだろ?好きなもの買ってきたから、食べられるなら食え」
中を見ると焼きプリンとパンと野菜ジュースが入っている。
確かに私の好きなものばかりだ。
「ありがと」
つかつかと部屋に入った高橋がソファに座ったので、私はベッドに座った。
気まずくて、そわそわして落ち着かない。
「昨日は悪かった。俺のせいで風邪ひかせたな」
「それは、私が勝手に濡れて帰っただけだから。高橋は謝らなくていいよ」
「まあ、そうだな。俺の話を聞こうとせずに走っていったし。追いかけようとしたが、俺も気持ちの整理がついてなくて動けなかった」
「そ・・・そうだよね。いきなり言われたら迷惑だもんね。この話はもういいよ。止めようよ。高橋の気持ちは分かってるから。それより今日は仕事はどうしてる?私の代わりに誰がやってくれてるの?」