シークレットな関係
それで勝っては得意げに笑っていたじゃない。
そりゃあ優しいときもあったけれど、イヤミな時のが多かったのに。
子供の頃を思い返してぱっと浮かぶのは、ニヤリと笑う顔だけだ。
「あの頃のお前はきらきら輝いていてまぶしくて、平凡な俺がお前に認めてもらうには、あらゆる勝負に勝つことしかないと考えていた。俺を見てほしくて、すげー頑張ったんだぞ。まあ、今思えばガキだったよな」
「そんなことを考えて、あんなに何度も・・・?」
「でもお前はちっともなびいてる様子がなくて、俺は十五年の間、諦めたり惚れたりを繰り返していた。気づいてないとは、お前鈍感だよな」
「で、でも、高橋は彼女作っていたし、そんなの分からなかった」
「それは諦め期間中。社会人になって再会したときは驚いたし、お前は変わらずに綺麗で性格も変わってなくて、すぐに気持ちがぶり返した。咄嗟に提案した恋人契約も、俺にとっては本気だったよ。『惚れるな』の本音は『惚れろ』で、最後のチャンスだと思ってマジで落としにかかっていた」
高橋が一層近づいてきて、あごに指を添えて上を向かされた。
潤んだ優しい瞳に見つめられて鼓動が高速になる。
「だから、お前に好きと言われたとき戸惑ったんだ。夢じゃないのか?と・・・俺の片思い歴、舐めんなよ?」
「あ・・・高橋、風邪がうつるから」
唇に息がかかって避けたら、両手でほほを包まれて元に戻された。
「うつしたほうが治りが早いぞ」