たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
 

* * *




その日は予報通り、午後から冷たい雨が降ってきた。



「あ、ねぇねぇ、あの子だよ。例のあの、Twitterの……」



この一ヶ月で私の噂は学校中に広まり、今では後輩だけでなく同学年の子たちや先輩までもが私を見ては口々に何かを囁いた。


ヒソヒソと話されるそれの全てが聞こえるわけではない。


けれど、聞こえないからこそ余計に気になって、気にしてしまうからこそ余計な声まで聞こえてしまうのが噂というものだ。


それが、自分の事なら尚更。


……悪循環。悪循環以外の、何者でもない。



「……栞?大丈夫?」


「っ、」


「やっぱり……Twitterで、犯人に反論してみようか?」


 
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