たとえ声にならなくても、君への想いを叫ぶ。
 


俯きながら廊下を歩く私にそう提案してくれたのはアユちゃんで、慌てて顔を上げれば心配そうに私を見つめる綺麗な瞳と目が合った。



「(だ、大丈夫!!本当に、大丈夫だから!)」


「でも……このままだと、栞が……」


「(私は別に気にしてないし……って、本当は少しは気にしてるけど、でも変に反論なんてしたら犯人は余計に面白がるだけだろうし、そんなの相手にするだけ無駄だと思う。何より反論なんてしたらアユちゃんまで標的にされるかもしれないし、本当に大丈夫!)」


「私は、別に……。でも、本当、犯人誰なんだろう。アカウント名も【飯クッチッティーニ】とか変なのだし、栞も今更噂を流されるようなこと、身に覚えがないんだよね?」


「(……うん)」



小さく頷けば、アユちゃんは「だよね……」と零して溜め息を吐いた。


(ごめんね、アユちゃん。本当にごめんなさい)


大好きなアユちゃんにも、これ以上心配をかけてはいけないということも重々わかってる。


けれどどうすることも出来ない私は、ただ心の中で謝り続けるしかない。


 
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