四百年の誓い
 「難しいよな、男女の間って」


 美月姫の話を聞き終えた後、圭介は答えた。


 「先生的には、男女の友情って存在します?」


 「ああ、俺は女性相手でも、友人として長く付き合っていきたい人はたくさんいる」


 恋愛感情は抱けない、抱くわけにはいかない相手でも、友人として生涯付き合っていきたい。


 今、目の前にいる大村美月姫もそうだし、大学時代の同期で現在は同僚でもある初芝静香(はつしば しずか)もその類かもしれない。


 「ただ、自分はそんな主義を持っていても、相手も同じ考えだとは限らない。男女の友情などあり得ないという主張の連中も多いから、気をつけたほうがいい」


 「そうですよねー」


 ……優雅の話題で、一瞬暗くなりかけたムード。


 最後は二人、笑顔で締めくくった。
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