四百年の誓い
 「母さんが、入院したんだ」


 「えっ」


 先ほど圭介が、清水の母親が最近痩せてきたのが気になる……と話していたのを、美月姫は思い出した。


 「ご病気?」


 「実は、自殺を図ったらしい」


 「自殺!?」


 「睡眠薬の過剰摂取(オーバードーズ)。事故かもしれないけど、自殺未遂の可能性が高くて……」


 「どうして……」


 自分や圭介があんなに懇願してもなしのつぶてだったのに。


 母親が倒れた途端に舞い戻ってきたことに対する悔しさはあったものの、清水の気持ちを考えたら今はそれどころではなかった。


 「いろいろな事が積み重なって、母さんの精神(こころ)は限界に達したらしい」


 「……」
< 14 / 395 >

この作品をシェア

pagetop