四百年の誓い
 「だから違うんだって。お前は悲劇のヒロイン気分で酔っているのかも知れないけど、別に俺、お前の両親に喋ってもいいんだぜ」


 そう告げて京は、スーツの胸ポケットから写真を数枚取り出した。


 以前丸山幹事長も所持していた、美月姫と優雅とが写った写真だ。


 「これをお前の両親に見せて、優雅との関係を伝えたら……どんな事態になるかな?」


 京は冷たい笑みを浮かべながら、美月姫に尋ねる。


 「なぜそんなことを」


 「こっちとしては、お前の両親を怒らせて、お前共々社会的に葬ることも不可能じゃないわけで」


 優雅とのことを両親が知り、それを指示した丸山に対し怒りを覚えるのは明らかなこと。


 そうなってから美月姫たちを社会的に抹殺するのも、丸山サイドには不可能なことではない。


 「卑怯です! 両親には何の責任もないのに」


 「お前が優雅をたぶらかしたから悪いんだ。身の程もわきまえずに」


 京の言葉には、相変わらず感情がない。
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