四百年の誓い
***


 ブティックからさほど離れていない、ホテル最上階の夜景が綺麗なラウンジ。


 美月姫は京と共に、丸山に連れて行かれた。


 ディナーなら一万円を超えると思われる。


 にもかかわらず絶好のロケーションゆえ、事前予約なしではまず入店不可能。


 丸山は何らかのコネを用いて、VIPシートを確保していた。


 前菜からメインディッシュまで、定期的に食事が届けられる。


 「ここは基本、北海道産野菜を用いている。肉類は……」


 ワインを飲みながら、丸山は食材に関するうんちくを美月姫に紹介してくれた。


 京は黙々と食べている。


 食事は最高だったし、夜景も見事だった。


 優雅と一緒だったらいいのに、内心美月姫は感じていた。


 テーブルを挟んでいるのは、その優雅の父親。


 与党幹事長・丸山乱雪。
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