四百年の誓い
 「私はこれからの人生をかけて、王国を磐石なものとして仕上げ、そして優雅へと継承するつもりだ。誰にも邪魔されるわけにはいかない」


 強い口調。


 邪魔する者は容赦しないという思いが伝わってくる。


 「だから君にも理解してもらいたい。優雅の未来に対して、障害となるのだけは困るのだよ……」


 「だからあきらめろと」


 「この前も伝えた通り、無理に別れろとは言わない。強引に引き裂いて、優雅の気持ちを逆撫でては最悪な事態を招きかねないし」


 (優雅くんが何もかもを捨てて逃げ出すとでも言うの? 私を連れて)


 美月姫はワインを少し口に含んだ。


 「優雅も突然君が奪われると、精神のバランスを保てなくなるだろう。彼も君にある程度は依存しているようだ。だから当面は今のまま、お友達としての交際を続けてはもらえないかね」


 「お友達として」の交際容認。


 「ただし徐々に、距離をつくっていくんだ。いずれは完全に別れを告げて、君はこの京と結婚するんだ」
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