四百年の誓い
 「ごちそうさまでした」


 ホテルでのディナーを終えた後、美月姫は再びベンツに乗せられ、家の前まで送り届けられた。


 「また機会があったら、ご一緒しよう」


 「はい……。ありがとうございます」


 一応そうは答えたものの、できるならもう懲り懲りだった。


 食事は美味しかったし、なかなかできない体験ではあったけれど。


 「では、これからも京のことは頼むよ。大切な甥だから、ぜひ君に幸せにしてもらいたい」


 「幹事長。こんなガキなどいなくとも、俺は十分幸せですって」


 「こら京。お前は昔から素直じゃないな。本当はまんざらでもないんだろう? こんな可愛いお嬢さんを」


 「関係ないですね」


 運転席で京は顔を背けている。


 「オー、モッタイナーイ。ナラバオジョーサンハ、ボクガイタダキマース」


 幹事長の脇に立つ黒人ボディガードが、美月姫にウィンクする。
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