ゾッとするホラー短編集
長い間、人が出入りしていない

その廃墟の病院は、

埃っぽくて、

蜘蛛の巣が張ってあった。






私たちは懐中電灯の

明かりを頼りに、

ゆっくりと廃墟の病院の

長い廊下を歩いていった。






静まり返った気味の悪い廊下に

私たちの乾いた足音だけが

響いていた。






「おっ、階段があったぜ。




一番上まで、行ってみない?」






私たちの先頭を歩いていた

拓海が振り返って、

私たちにそう言った。






「拓海、上まで行ってみようぜ。




どうせなら、この病院の

全部を見て帰りたいからな」






健二がそう言って、

ドンドン前に進んで行くので、

私は仕方なく、健二に寄り添い

病院の階段を上り始めた。
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