ゾッとするホラー短編集
私にも自分が口にした言葉が

間違っていることくらい

わかっていた。






私は決して金持ちではない。






私のウソは、いつかはバレる

儚いウソ。






他の人から見れば、

私はきっとみじめでかわいそうな

女に違いなかった。






でも私は、

香川桜子という

何も持っていない女に

魔法をかけて、

ひとときの夢を

見させてあげたかった。






きっと私のその気持ちは、

歪んでいて、

醜いものに違いなかったが、

私はこのとき、必死だった。






もしもこの男性の気持ちを

引きとめることが、

できたならって……。
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