ゾッとするホラー短編集
ゆっくりと近づいてくる

幼い女の子の幽霊に、

拓海が悲鳴にも似た声で、

叫んだ。






「く、来るなよ!




オメェの心臓のことなんて、

オレたちは知らねぇんだよ!




いなくなれ! 消えろよ!」






『私の心臓を……、返して……』






幼い女の子の幽霊が、

そう言って青白い腕を

胸の高さまで上げて、

前に突き出し、

私たちの方に迫ってきた。






私は恐ろしくて、

今にも泣き出しそうだった。






『あなたの心臓……、

私にちょうだい……』






私はその言葉を聞いて、

ゾッとして両手で胸を押さえた。






私は、幼い女の子の幽霊の

血で赤く染った白いブラウスを

見つめながら思った。






〈 まさかこの幽霊は、

私たちの心臓を奪おうと

しているの? 〉
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