ゾッとするホラー短編集
私は、自分の心臓が

ドキドキと大きな音を

立てているのを感じていた。






幼い女の子の幽霊は、

少しずつ私たちに近づき、

今ではもう、私たちから

わずか三メートルの近さに

立っている。






〈 どうすればいいの?




どうすれば……。




どうすれば…… 〉






私が何の考えも

浮かばないままに、

体を震わせながら

怯えていたとき、

拓海の緊迫感のある声が

手術室に響いた。






「みんな、逃げるぞ!




オレがとりあえず、

扉の鍵をあける。




そしたら、みんな一斉に

この部屋を出て、

さっき走ってきた廊下を

もう一度、

反対方向に走り抜けよう。




みんな逃げ遅れるな。




チャンスは一度きりだ」
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