ゾッとするホラー短編集
〈 逃げるの?




この状況で…… 〉






私はさっきから、

膝がカタカタ震えて

止まらなかった。






私は今、こんな状態で

走ることなど、

できるのだろうか?






私がそんなことを

考えているうちに、

拓海が幼い女の子の幽霊の

となりを駆け抜け、

入り口の扉へと向かっていった。






そして拓海に続いて、恵子が、

そのあとに、健二が……。






〈 行かなくちゃ…… 〉






私は恐ろしくて、

ドキドキしながら

そう思った。






〈 行かなくちゃ、

私だけが、取り残される 〉






「祥子、早く逃げろ!」






健二の逼迫した声が、

手術室に響いた。






私が健二の声を聞いて、

決意を固めたとき、

幼い女の子の幽霊は、

もう私の目の前に迫っていた。
< 42 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop