ゾッとするホラー短編集
私たちは、暗くて長い廊下を

懐中電灯で照らしながら走った。






早くこの病院から出なくてはと、

考えながら……。






〈 あの幼い女の子の幽霊は、

おそらくこの病院の

地縛霊じゃないかしら?




だとしたら、

私たちがこの病院から

抜け出しさえすれば…… 〉






私が懸命に走りながら、

そんなことを思っていたとき、

私たちの背後から、

女の泣き声が聞こえてきた。






そしてその泣き声は、

しだいに大きくなっていき、

病院の廊下に響き渡った。






〈 何なのこの泣き声は?




止めて……。 止めてよ! 〉






私がそう思って

後ろを振り向いたとき、

あの幼い女の子の幽霊が、

ものすごい速さで、

私たちに迫ってきていた。






〈 何なの、あの速さ!




こんなんじゃ、私たちは、

追いつかれる…… 〉






私の頭の中に、

そんな悲観的な考えが

浮かんだとき、

一緒に走っていた健二が、

突然、前のめりに倒れ込み、

そのまま廊下にうずくまった。
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