ゾッとするホラー短編集
私は幼い女の子の幽霊の

薄気味悪い笑みを見ると、

ゾッとして、悲鳴を上げた。






まるで私は、

天敵に追い詰められた

小動物のように、

身を固くして

何も考えることができなかった。






「祥子、逃げろ!




早く!」






私の耳に入り込んできた

健二の声。






私の心は揺れた。






「健二、祥子、逃げろ!」






拓海の声が、廊下に響いた。






『あなたの心臓を……、

ちょうだい……』






私は、幼い女の子の幽霊に

見つめられながら

そう言われると、

再び悲鳴を上げ、立ち上がった。






〈 健二くん、ごめん……。




私は、あなたを救えない…… 〉






私はそう思い、

健二に背を向け、

走り出した。
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