ゾッとするホラー短編集
私たちは、

病院の出入り口の扉の前で

息をきらして、うずくまった。






私は全力で走り続けたせいで、

苦しくて体を動かすことが

できず、

額からは大粒の汗が、

次から次へと流れ落ちた。






〈 健二くん…… 〉






私は健二のことを考えると、

涙がこぼれ落ちてきて

止まらなかった。






私はこの肝だめしをきっかけに

健二と仲良くなれればと、

思っていたのに……。






私は健二に淡い気持ちすら、

抱いていたのに……。






私は、

私が幼い女の子の幽霊から、

逃げ去ったときに、

背後から聞こえてきた

健二の悲鳴を思った。






〈 私は、

本当に健二くんを救うことが、

できなかったのかしら? 〉






私がそう考えたとき、

私は、健二から

二週間前にもらった

ネックレスのことを思った。
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