ゾッとするホラー短編集
私が懐中電灯で照らしながら、

薄気味悪い廊下を歩いていると

この病院の長い廊下の

真ん中あたりに、

健二が、

うつ伏せで倒れいた。






私は健二のその様子を見て、

ドキリとして、声を上げた。






「健二くん!」






私は無意識のうちに走り出し、

廊下にひざまづいて、

健二の体をさすりながら、

健二に話しかけた。






「健二くん、ごめんなさい。




健二くんを

一人にしてしまって……。




私、怖くて、

何も考えられなくて、

健二くんを置いてきぼりにして、

逃げてた。




健二くん、ごめんね……。




本当に、ごめんなさい……」






私は何度も何度も、

健二の体をさすったが、

健二はピクリとも動かず、

うつ伏せで倒れたままだった。






少しも動かない健二の姿を見て、

私の頭の中に、

最悪の事態がよぎって、

私は胸が苦しくなった。






〈 もしかして、健二くんは、

もう…… 〉






私は焦って、気が動転した。






〈 さっきまで私は、

健二くんと

話していたのに……。




さっきまで私は、

健二くんと一緒に、

この廊下を

走っていたのに…… 〉






私は健二の肩を揺すり、

それでも動かない健 二の体を

力を込めて、仰向けにした。
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