天使の梯子
閉まったドアを見つめて、私は苦笑いした。
直哉さんにもう私の身体が見られていると言ったら、あの人はどんな顔をするんだろう。
残されたベッドの上でため息をつくと、浅井さんが部屋に入ってきたのか扉が閉まる音がした。
浅井さんがなんの用できたのか気になって、布団を身体に巻いてドアの前に座り込む。
「悪いな、失礼するよ。……楓ちゃんは? いるんだろ? 靴、あったし」
「まだ寝てる」
お、起きてますけど。浅井さん、なにしに来たんだろう。
まさか、四年前のことを話にきたんだろうか。
ドキドキと脈打つ自分の心臓の音を聞きながら、ドアの前で聞き耳をたてる。
「まったく、昨日は当直だったくせに急に帰るって言い出しやがって。普通ありえないだろ」
え、昨日、諏佐さん当直だったの?
それはたしかにありえないけど、完全に私のせいだよね。