天使の梯子

「お前が代わりにやったんだろ。なんの問題もない。それに、楓が現れたんだ。あの場面で逃げられたらたまらない。お前が一番よく知ってるだろう。俺がどれだけ楓のことを好きだったか。それは今も変わってない」


その諏佐さんの言葉に息をのんだのは私だ。そんなに私のことを好きでいてくれたの?


昨日私を抱きながら言ってくれた言葉は、全部本当だったんだろうか。


「知ってるよ、よく知ってる。大学のときの合コンで一目惚れして、ずーっと隣の席キープしてたもんな。そのあと、グループで出掛けたときも必ず隣にいて、他の男が寄り付かないように目光らせてて。楓ちゃんが黒髪で短い髪の男が好きって聞いたら髪型まで変えて。正直、暎仁がそこまでするのが意外だった」


え、そんなの……初めて聞いた。


隣に座ったのは、偶然じゃなかったんだ。


それに私のために、髪型まで変えてくれたの?


たしかに黒髪になった諏佐さんはすごくかっこよくてドキドキして、それがきっかけで諏佐さんのことを意識するようになった。そんなこと、全然知らなかった。





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