天使の梯子
「いまいち、楓ちゃんには伝わってなかったけどな」
だってそんなこと、言ってくれたことなかったじゃない。
そんなふうに思っていてくれていること、私は全然知らなかった。諏佐さんに嫌われることが怖くて、愛されてる自信もなかった。
「あの頃は、楓にカッコ悪いところ見せたくなくて俺も無理していたからな。でも、もう……そういうのはやめた。偶然だろうがなんだろうが、楓がまた俺のところに戻ってきた。もう手離すつもりはない」
そう、だったの?
諏佐さんも、私みたいに嫌われたくなくて我慢してたんだろうか。
一緒にいた五年間、私たちはどれほどすれ違っていたんだろう。