天使の梯子
そう思うけど服はないし、さすがにこんな格好で直哉さんの前には出たくない。
諏佐さんの服でもあればいいけど、あいにくクローゼットがあるのは隣の部屋だ。
そして頭のいいあの人が、私にそんな隙を見せるわけがない。
どうしようと思っているうちに、浅井さんは話し始めてしまう。
「四年前、楓ちゃんがいなくなったの俺のせいだと思う。俺、四年前の……楓ちゃんの誕生日に、楓ちゃんと寝た」
いきなり出てしまった決定的なその言葉に、胸がズキリと痛んで血の気が引いた。
指先が冷たくなって、情けないことに身体が震えてくる。
ああ、知られてしまった。知ってほしくなかったのに、知られたくなくて逃げたのに。
今、あの人はどんな顔をしてるんだろう。それを知って、どう思ってるんだろう。
その想像に耐えられずぎゅっと目をつむった私の耳に、ドカッという音と人が倒れるような音が聞こえて目を開ける。
え、何? 今の音……。