続★俺だけの家政婦さん
「・・・もしかして須藤の本、読みたいとか」

私は赤べこのように頷く。野末くんは須藤歩の本に視線を向けると再び

私に視線を戻す。

「野島景の前で『須藤』の本が読みたいってよく言えるね~~」

あっ!ヤバい。ずっと野末くんって呼んでるから目の前にいる人が

野島景だと言うことをついつい忘れてしまう。

「だ、だって・・・野島景の本は全部読破してるもん。須藤歩の本は
まだ読んだことのないのもあって・・・だから」

すみません。

嘘でーす。野島景も、須藤歩の全部持ってて読破してます。

だけど、今は須藤歩な気分なんだよね~~

でもそんなこと言えるわけないし・・・

するとさっきまでの不機嫌さが少し和らいだのか・・・

野末くんは野島景の文庫を5冊ほど本棚から取り出すと私の手の上に

ぼんと載せる。

「え?」

驚いた私は本と野末くんを交互に見ると野末くんは明後日の方を見ながら

「俺の本を読破したって言うなら仕方ねーな~貸してやるよ」

言い方は乱暴だけど、もしかして私が野島景の本を読破したって

言ったから喜んでる?

私はにやけそうなる口元を本で隠すと、上目遣いで

「あざーっす」と言ってそのまま回れ右して部屋を出た。
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