続★俺だけの家政婦さん
だからあんなにおしゃれなんだ。と妙に納得してしまった。

しかも男性うけも良さそうな小顔でかわいいし、自分が何を来たら

かわいく見えるかがとてもよくわかってらっしゃる感じだ。

私は仕事そっちのけで人間ウォッチングしていた。

しかも野末くんが冷たそうな眼差しで拒絶しているのに

笑顔を全く崩さない。

「え~~?先生冷た~~い。私、先生の原稿を読んだらいてもたってもいられず
来ちゃったんですよ~」

「・・・・・・感想を言いたかったらメールでいいよ」

何?この2人の温度差は温と冷って感じ?

だがさすがと言うべきか編集者さんは何を言われても笑顔をキープ。

「もう~そんな冷たいこと言わないでくださいよ~。世界で一番最初にに原稿を読んだ
私が先生に直接感想を言おうとこうやってやってきたんですから~」


ガッツポーズをしながら首を横に傾げる仕草は素なのか作ってるのか

よくわからないが遠巻きで見ている分には面白い。

だが、その空気が野末くんの一言で一変した。

「わり~けど、あんたより先に読んだやつがいるから君は2番目」

「え?」

さっきより1オクターブは確実に低い声に私の方が驚いた。

どっちが地声?

だが彼女は自分の出した声の低さを訂正する様に

「私より先に読んだだ方がいらっしゃるんですか?」と野末くんに問いかけた。


すると野末くんが私の方を見ながら

「あの人」と私を指さした。

ええええ?!このタイミングで私かい?!
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