続★俺だけの家政婦さん
どうしよう、これを機に友達になってとか言われたら

いやいや待てよ。そもそも彼女はいくつなんだろう。

主人公が私と同世代だからと言って野島景が同世代とは限らない。

でもそれならそれでも全然いい。

もし年上ならきっと素敵な恋をしているはず。だってあんなとろけるような

ずきゅんどきゅんな話を書ける人なんだからきっと私生活も凄いのだろう。

とにかく彼女の間近で働けるこのチャンスを与えてくれた人全てに感謝!



買い物に行くのに自転車が便利なので所長に頼み、車を出してもらことにした。

会社のワゴン車に折りたたみ自転車とスーツケースを乗せた。

紹介所のスタッフに運転を頼んだ。

そして指定された住所をナビに入力すると出発した。

野島景ほどの有名な作家ならタワーマンションの上層階に住んでいるものと

思い込んでいたが、ナビに従って目的地について自分が思っていた

建物と違っていたことに驚いた。

都心から随分離れた場所にあるお宅は、築年数は所長の年齢に近そうな

平屋の建物。だけど、塗装したのだろう。黒く塗られた外壁は古民家風だ。

縁側もあり小さな庭もあり、大きなミモザの木には黄色のかわいい花が満開だった。

自転車を置く許可はすでにもらっているので玄関の横の駐車場の車の邪魔に

ならない場所に置く。

そしてスーツケースを下ろしてくれたスタッフにお礼を言うと

玄関まえで立ち止まり深呼吸をする。
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