続★俺だけの家政婦さん
どうやって挨拶しよう。

笑顔で竹原家政婦紹介所から参りました~~だよね。

でもこれって例のドラマのエンディングみたいだなって毎回自分に

ツッコミをいれちゃうんだよね~。

っていうのはおいといて、気持ちを落ち着かせるように

平常心平常心と心の中で呪文の様に唱え、一呼吸するとインターフォンを押した。



ボタンを押して数秒後

『はい』

「竹原家政婦紹介所から参りました」

『……ちょっと待って』

「はい」

うわ~~~!!野島景の声初めて聞いたよ。

だけど…凄くハスキーだったな~

でも、声なんて関係ない。

仕事だとはわかっているけどこのワクワク、ドキドキが顔に出て

ニヤニヤしちゃいないか心配で落ち着かない。


すると玄関の戸の磨りガラスからぼんやりとしたシルエットが見えて

一気に緊張が走る。

鍵を開ける音がかちゃかちゃと聞こえ

私は姿勢を正し、戸が開いたと同じくらいのタイミングで

45度の角度で頭を下げる。

「竹原家政婦紹介所から本日より住込みの家政婦として参りました。
竹原栞里と申します」

頭を下げながら野島景さんの足下に目をやるとなんだか女の人にしては

大きくがっしりとした感じがする。それは履き物が男物のサンダルのせい?
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