あなたの愛に深く溺れてしまいたい
「俺は冗談言わないって言ったろ」

「………」

「雪乃が好きだ」

「っ、」


好きって…。簡単に言ってくれちゃって…。


「よし、出るぞ」

「えっ?柴咲課長?!」


まだ一杯しか飲んでないのに(私は散々飲んだけど…)柴咲課長は立ち上がると私の分まで一緒に会計を済ませた。


「ちょ、柴咲課長!どこ行くんですかっ」


柴咲課長は私の手を握ると、急に外の街を歩き出した。


そして、一台のタクシーを捕まえると私を無理矢理押し込み、運転手さんに住所を伝えていた。


えっ、なに?私、どこに連れてかれるの?


不安でいっぱいの私に対して、隣の男は呑気に窓から景色を眺めていた。


やがてある住宅地に入ると、あるマンションの前でタクシーは停まり、柴咲課長がお金を払うとまた私も一緒に降ろされることになった。


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