理想は、朝起きたら隣に。

始まる前に、もう一度飲み物を貰おうと奥のビュッフェの隣の小さなバーカウンターでカクテルを頼んだ。

お酒でも飲まなければやってられないとムシャクシャして。

「さっき友人代表で読んでた美春さん?」

カクテルを待っていた私に、新郎側の友人が話しかけてきた。
小麦色の肌の私と違って人見知りもなさそうな明るい性格の人だった。

「そうですけど」

「はきはきと喋る綺麗な人だなって思ってたんだ。何を頼んだの?」

「ピーチウーロン」

適当にメニューを見て選んだだけなのに、爽やかな歯をにっと出してその人は笑った。

「飾らない可愛い人だね、じゃあ俺もソレで」
「え、貴方も?」

「うん。俺も素朴で可愛いを目指すから」

人見知りの私でさえ、彼の話上手さに思わず笑顔が零れる。
こんな風に場を和ませられるのって羨ましい。
「あ、俺、林田。去年から小学校で体育教師しててさ、サッカー教えてるの」
「あー分かります」

だから小麦色の肌だし人懐っこいのだと納得した。
「何それ、ひでー」

褒めたのに不満げに騒ぐ林田さんに思わず声を出して笑ってしまったら、いきなりふっと視界に影が差した。

「スコッチのロック」
「――っ」
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