部長の溺愛に困惑しています。
ついさっき来たばかりのワインがもう三分の一くらいの量になっていて、それに気付いた岡田さんはまた店員を呼んだ。


園子はトイレに立ち、私はちらっと部長の方に目を向けた。



テーブルに肘をついてこちらに目を向ける部長は、クスリと微笑むと私の手を強く握り直す。

薄暗い店内のせいか部長の顔はいつもよりも色っぽく見え、私は緊張する自分を隠すようにワインをぐびぐびと飲んだ。




「部長。ワインはどれにします?」

「ん?」


店員と話していた岡田さんがこっちを振り返ったと同時に、握っていた私の手をとっさに離す部長。


それをどこか寂しいと思ってしまう私…

どうかしている。と自分に言い聞かせて、またワインをがぶ飲みした。
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