「ただ、隣に居たいだけ。」
「で、夜遅くまで、なにしてたの?」
お母さんたちが一階に下りていくのを見送ったあと、すぐに聞いてきた。
〝付き合いたい、好きだろ〟
じぃ、と見てくる未空を見て昨日の直人の言葉を思い出してドキッとした。
「……お、おれっ、出かけるからっ!」
部屋に戻って、急いで支度をして逃げるように外へと向かった。
〝ドキッ〟ってなんだ、〝ドキッ〟って。
呼吸を整えて、近くの公園のベンチに座り込んで考えてみる。
直人が休みなのを思い出して電話をすると、朝早くからの電話に少し文句を言いながらも来てくれることになった。
昼に、駅前の喫茶店か。
家に戻ったら、たぶん、や、絶対、未空に質問攻めに遭うよな___……
まだ待ち合わせには早くて、適当に時間をつぶして店に入った。