「ただ、隣に居たいだけ。」
【カレシ、カノジョ】
カフェオレを頼んだけど
このままじゃ苦くて……
飲める甘さまで、砂糖を入れ続ける。
こういうとき、自分って子供だよな、と思う。
「よっ」
時間通りに来た直人は、紅茶を頼んでた。
紅茶が苦手な俺は、少しでも早く大人になりたくて〝コーヒー〟を無理して飲むようになった。
きっと背伸びしたかったんだ。
「…大丈夫か?」
静かに頷くと全てを分かったかのように何も言ってこなかった。
ただ、側に居てくれる。
そんな直人を見れずに〝あの日〟のことを思い出しそうになり、外を見て気を紛らわす。
〝今〟の状態で見たくなかった光景が映り、また〝チクン〟と痛くなった。
___……デー、ト?
未空と植田が、まさに今、会ったような仕草をしているのが見える。
「行くぞ。」
そんな俺に気付いて、腕を掴んで足早に会計を済まし、外に出る。