「ただ、隣に居たいだけ。」

デートとかしてんのかな……

もしかして帰ってこない、とか……?

顔、合わせたくない、、よな…


未空の帰りは遅くて待っていた。

ぐるぐるとマイナス思考ばかり。

部屋の扉の前で未空のことを想った。


「……ん」

いつの間にか寝てしまってて
起こすどころか退かそうとしている未空の姿を見て、強く強く抱き締めた。

「___やめてよ。」
精一杯の力で、身体を押してくる。


「……ら、頼むから未空は居なくなんないで。」

逃げようとする未空を見て〝あの日〟のことを思い出して涙が溢れ出した。

「…翔、ちゃん? どうし__……?」


未空のことを想うと〝大人〟じゃいられなくなる。ヤキモチをやくただの〝子供〟。

いきなり泣き出した俺を見て心配そうに言うのを遮って、愛しそうに抱き締めた。

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