「ただ、隣に居たいだけ。」

ぎゅっ、、と強く拳を握りしめながら
分かってもらえるように説明を続ける。

「だから、呼ばないでってっ!」

トドメのように突き刺さる言葉に、何を言っても無駄だと言われてるような気がして、ぎゅっと目を瞑った。

「……呼ばれたら、呼びたくなるから。」

何も見えない世界に、ゆっくりと届いた声は泣いているようだった。

「呼んだらいいだろ。」

「家で呼んでたら、学校でも間違えて呼んじゃうかもしれないじゃんっ!」

無責任のように発した言葉を聞いて
怒りのあまり扉を開いた未空は、泣きながら持っていたぬいぐるみを投げつけてきた。


「あたしが、どんな思いでっ……!!」


その言葉を聞いて全てが分かった気がした。

〝先生〟という立場の〝兄〟のような存在の俺を未空は自分なりに精一杯、守ってくれてたんだって。

自分勝手な誤解に、つい笑ってしまった。

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